2014.12.09 Tue

東進ハイスクールが講師の質にこだわる理由とは

株式会社ナガセ 代表取締役社長 永瀬 昭幸 氏

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原点はアパートの一室の私塾だった

 「いつやるか?今でしょ」のフレーズで時の流行語にもなった林修講師をはじめ、数多くの有名講師を抱える東進ハイスクール。難関大学の入学実績の高さでも知られるこの予備校に加え、傘下に中学受験塾の四谷大塚、イトマンスイミングスクールを擁するなど、幅広い教育事業を展開しているのがナガセだ。社長の永瀬昭幸は、現役高校生を中心とした教育スタイルをいち早く取り入れ、後進ながら三大予備校を凌駕するかという勢いにまで急成長させた、受験業界の風雲児だ。

 そんな日本を代表する予備校のルーツは、永瀬が大学生だった1971年に自宅アパートで始めた「ナガセ進学教室」にある。

 開塾のきっかけは、妹の進学だった。鹿児島から上京し、弟とともに東大に通っていた永瀬の元に、今度はお茶の水女子大に入学が決まった妹が上京することになったのである。

「父親は数学教師で、あの頃は薄給でしたから、兄弟3人を東京の大学に通わせるなど不可能に近いことでした。ただ、妹にも行きたい大学に行って欲しかったので『金は俺達でもなんとかするから妹を送り出せ』と両親を説得したんです」

 東京・三鷹のアパートの一室に小さな小中学生向けの学習塾を開き、永瀬がひとりで教鞭をとった。すると、少人数で面倒見のいい塾として評判となり、口コミで生徒が増えていった。講師に弟と妹も加わるようになると、名門中学をはじめ志望校に多数の合格者を出した。

 そんな“永瀬兄弟”の塾には、わざわざ遠方から通う生徒も珍しくなくなり、兄弟だけでは手が足りなくなった。そこで同じ鹿児島のラ・サール高校から東大に進学した後輩に声をかけ、塾を手伝ってもらうと、その後輩も大学の友人を数人誘ったため、いつしか優秀な講師陣が揃ったのである。

「塾というのは良い講師がいると評判になるのだなと発見をしたのがこの時です。今いる有名講師達の原点がここにあります」

 

5,000万円を元手に再度開塾

 大学卒業後、永瀬は学習塾を後輩たちに任せ、野村證券に就職する。本店営業部への配属となり、大口の個人客を相手にした仕事を任された。

 そして2年目の半ばを過ぎたある時、懇意にしていた顧客から「お前は自分で会社をつくったほうが向いている。ここに5,000万円ある。これを貸すから事業をやってみなさい」と声がかかった。… 続きを読む

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永瀬 昭幸(ナガセ アキユキ)
1948年鹿児島県生まれ。74年に東京大学経済学部卒業、野村證券に入社。76年に退職し、大学在学中に自宅アパートで開塾した塾を母体にナガセを設立。1988年、株式店頭公開(現ジャスダック上場)。大学受験部門の東進ハイスクール、東進衛星予備校を中心に、大学生・社会人を対象に東進ビジネススクール、幼児・児童向けの東進こども英語塾、中学受験の四谷大塚、イトマンスイミングスクールを展開。2014年12月より新たに早稲田塾をグループ化。

株式会社ナガセについて
■ 事業内容教育事業(高校生部門、中学生部門、小学生部門、大学生・社会人向けビジネススクール部門、こども英語塾部門、スイミングスクール部門)、出版事業
■ 設立年月1976年5月
■ 本社所在地東京都武蔵野市吉祥寺南町1-29-2
■ 資本金2,138百万円
■ 従業員数1,069名(連結/正社員のみ)
■ 業種教育業
■ ホームページ

http://www.toshin.com/nagase/

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