2014.10.28 Tue

東京駅を変えた名プロデューサーは元鉄道マンだった

株式会社鉄道会館 取締役相談役 野崎 哲夫 氏

 エキナカや駅隣接の商業施設が続々と誕生し、その姿を大きく変えつつある東京駅。そうした開発事業を“プロデュース”したのが、鉄道会館の相談役(前社長)、野崎哲夫氏だ。

 

東京駅を駅から街にプロデュース

 通勤や日頃の取り引き先への訪問、そして出張などで頻繁に東京駅を利用するビジネスマンは多いことだろう。その際、ここ十年ほどの間にこの駅と駅周辺が急速に変わったと感じることはないだろうか。駅の中に商業施設が多数登場し、単に駅を通過するだけではなく、駅の中でひとときを過ごす人が数多く見られるようになった。

 このような東京駅のにぎわいを創出しているのが鉄道会館だ。

 同社は、1952年に国鉄の駅ビル開発の分身として創立以来、東京駅を中心とした商業ディベロッパーとして事業を続けてきている。10年前に「黒塀横丁」や「キッチンストリート」などの飲食店街をオープンさせたが、野崎が社長に就任した2005年頃からJR東日本グループが推進する「TOKYO STATION CITY」(東京ステーションシティ)」計画の一環として、数々の新規事業を展開。2007年にエキナカ商業施設「グランスタ」をオープンさせ、同時に八重洲南口サウスタワーに新しい飲食店街「グランアージュ」を開業させた。その後もこだわりのレストラン街として評判のエキナカ「グランスタ ダイニング」、丸の内駅舎復原に合わせ1階のコンコースを一新させた「セントラルストリート」の開業が続く。

 新規事業は駅以外にも及ぶ。丸の内の新ランドマーク「JPタワー」の商業施設「KITTE」の地下1階に、日本各地のご当地銘品を扱う「KITTE GRANCHE」をオープンさせた。さらに、昨年秋には八重洲口の新しいランドマークとなる、文字通り巨大な“屋根”と憩いの空間「グランルーフ」の商業施設も開発。東京駅は今年12月20日に開業100周年を迎えるが、その記念日を前にして、エキナカにコンシェルジュや外貨両替、クロークまで備え、完全に“街”へと生まれ変わったのである。

 これらの商業施設を成功に導いた人物が、2005年に鉄道会館の代表取締役社長に就任した野崎だ。実際、彼が社長を務めた間に、同社の売上高は90億円から365億円へと驚異的な増加を見せている。

 野崎は自らが取り組んだこれらの事業について「東京の、そして日本の中央駅である『東京駅の価値向上』を基軸として取り組んできた結果が表れたのではと感じています。私も先頭に経ちましたが、若い社員たちも本当によく研究して事業を進めてくれました。グランスタをはじめとした新しい施設は、私にとって社員たちの知恵と汗の結晶なんです。もちろん、その結果が評価され、その後の東京駅の開発を次々と任せてもらえたことにも感謝しています」と振り返る。

 この実績を見ると、野崎はデパートなど商業施設で実績を挙げてきた名プロデューサーのように思える。しかし実際のところは、若い頃からJRの前身である国鉄に勤務していた、れっきとした“鉄道マン”だ。… 続きを読む

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野崎 哲夫(ノザキ テツオ)

東京都出身。1970年東京大学工学部卒。同年旧国鉄に入社し、民営化後は、JR東日本総合企画本部経営管理部企画課長、開業事業本部用地企画部担当部長などを歴任。1994年スキー場「ガーラ湯沢」社長、1998年JR東日本取締役長野支社長、2001年JR東日本住宅開発の社長を務め、2005年鉄道会館の社長に就任。2014年7月から現職。2011年からは日本ショッピングセンター協会理事・関東甲信越支部長も務める。

株式会社鉄道会館について
■ 事業内容不動産の売買、貸借、管理、仲介及び鑑定に関する事業
飲・食料品、衣料品及び日用雑貨等の小売業等
■ 設立年月1952年9月
■ 本社所在地東京都千代田区丸の内一丁目6番1号 丸の内センタービルディング9階
■ 資本金3億4千万円
■ 従業員数137名
■ ホームページ

http://www.tokyoinfo.com/

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