2014.10.21 Tue

「使いたいものを作る」の追求が乗換案内を生む

ジョルダン株式会社 代表取締役社長 佐藤 俊和 氏

 社外での打合せや出張の際に、移動経路や到着時刻を調べるために、パソコンやスマートフォンで乗り換え案内サービスを使う人は多いだろう。

 そんな乗り換え案内サービスのパイオニア的な存在が、ジョルダン株式会社が提供する「乗換案内」だ。

 インターネットの普及によって多くの人にとって身近な存在である乗換案内だが、その歴史は古く、ジョルダンの乗換案内はWindows3.1用にパソコンソフトを発表した1994年にまで遡る。創業者の佐藤俊和は、なぜ乗換案内を開発し、そしてどうやってここまで発展させてきたのだろうか。

 

コンピュータの可能性に魅了された大学時代。ファミコンゲームも開発

 ジョルダン設立までの経緯は、佐藤が大学生時代の1970年頃まで遡る。当時、東京大学に通っていた佐藤は、化学工学の研究でコンピュータを使った最先端の分析に魅了されたという。

「当時はまだパソコンというものが存在せず、『メインフレーム』と言われる大型コンピュータの時代でした。自分で考えたことをアルゴリズムに変換してコンピュータが実行してくれる面白さに触れたことで、コンピュータが世の中を変える時代が来るのではないかという衝撃的な印象を受けました」

 大学院を修了後、周囲の仲間たちが大手メーカーなどに就職して工場や研究施設に勤務するために東京を離れていく中で、佐藤は「これからはコンピュータの時代になる」と確信して、オフィスコンピュータを開発するベンチャー企業に就職した。そこで佐藤はファームウェアやOS(オペレーティングシステム)に触れたのだ。

「『大学を出て大手企業に就職する』というレールから外れることは、今では多いケースですが当時は異例のことでした。両親からは強い反対に遭いましたが、強い熱意で説得しました」

 就職した企業では多くの良い仲間に恵まれたが、オフィスコンピュータ市場の競争激化や仲間の多くが企業を離脱したことなどを背景に、佐藤は30歳にして独立・起業を決意する。突き動かしたのは、「自由な発想でコンピュータの新たな可能性を生み出したい」という強い思いだ。

「マンネリ感を解消したいというモラトリアム的な発想での起業だったのかもしれません。しかし、賛同してくれた仲間の数人と、自由を手に入れるために起業しました」

 こうして1979年に前身となるジョルダン情報サービスを起業してからは、ソフトウェアなどの受託開発を行いながら、ゲーム開発の事業などにも進出。特にヒットしたのが、「クレイジー・クライマー」に代表される、ファミコン(任天堂のファミリーコンピュータ)のゲームソフトだ。佐藤は「BtoCのビジネスに関心を持つようになったのも、ちょうどこのころです」と振り返る。

 

ある受託開発をきっかけに生み出された「乗換案内」

 ゲームやソフトウェアの受託開発で順調に業績を伸ばしていた佐藤だが、現在まで続く「乗換案内」に携わるようになったのは、ある受託案件がきっかけだったという。… 続きを読む

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佐藤 俊和(サトウ トシカズ)

1949年福島県生まれ。大学在学中にコンピュータに興味を持ち、修士卒業と同時に、オフィスコンピュータを作っていたベンチャー企業に就職。1979年12月株式会社ジョルダン情報サービス(現ジョルダン株式会社)を設立。受託開発、商品開発を手掛けながら、1993年東京乗換案内を開発・販売。機能を拡張しながら、PC、インターネット、携帯電話上で提供、今日に至る。

ジョルダン株式会社について
■ 事業内容パッケージソフトの開発・販売、システム設計・製造、デジタルコンテンツ制作、インターネットコンテンツの提供、携帯コンテンツの提供、旅行業法に基づく旅行業、出版事業
■ 設立年月1979年12月
■ 本社所在地東京都新宿区新宿2-5-10成信ビル
■ 資本金2億7,737万5,000円
■ 従業員数180名
■ ホームページ

http://www.jorudan.co.jp

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