2014.09.09 Tue

たいめいけん“チャラい三代目”が抱く料理人の使命

株式会社たいめいけん 専務取締役 茂出木 浩司 氏

日本橋の老舗の名を全国に定着させた“日焼けシェフ”

 オフィスビルや百貨店が立ち並び、数多くの人々が行き交う東京・日本橋にあって、絶えることのない長い行列がひときわ目を引く老舗の洋食屋「たいめいけん」。昭和8年創業の同店は、美食家として知られる作家の池波正太郎や映画監督の小津安二郎をはじめ、多くの著名人からも愛され続けてきた。とりわけ看板メニューであるオムライスは、オムライスを語るときには、必ずと言ってもいいくらい取り上げられるほどの知名度を誇る。

 そんな人気店を、専務取締役かつオーナーシェフとして切り盛りするのが茂出木浩司だ。創業者である祖父の心護、二代目で現在・代表取締役社長を務める父・雅章に継ぐ、たいめいけんの“三代目”である彼は、その日焼けした風貌と快活なトーク、そしてフライパンを煽る鮮やかな手つきで、いまやテレビや雑誌などで“チャラい三代目”としてすっかりおなじみとなっている。自ら店の調理場に立つ一方で、取材や番組出演等でも引っ張りだこという、多忙極まりない日々を過ごしている。

「私は経営者ですが、それ以前に料理人ですので、自ら料理をつくる姿を見せたり、人に料理を教えたりすることができます。“洋食で一番有名な店”にしたいという目標をほぼ達成することができたのも、修行を積んで料理人となったおかげだと思っています」

 自身がマスコミやイベントに登場して人気が上がったことで、店の知名度も大きく向上した。店としても個人としても多様な展開に打って出られることは、たいめいけんの、そして茂出木自身の大きな強みとなっている。

「店である『たいめいけん』と個人である『茂出木浩司』、その両輪で店の名を広めていけるので戦略的には強いですよ。もっとも、体はキツイですけどね(笑)」

 

日焼けキャラは中学・高校から続く“地のママ”

 今でこそ“チャラい”ことで知られる茂出木だが、子供の頃はたいめいけんの調理場が遊び場だった。祖父や両親の働く姿を目の当たりにしながら、包丁を手にして肉や魚介、野菜を切り刻むといったように、料理人の真似事をして遊んでいた。自宅は料理人たちの寮も兼ねていたため、茂出木は普段の生活でも店の料理人たちと風呂や食事をともにするという、いかにも跡継ぎらしい幼少期を過ごした。

 しかし中学に進むと、店にはほとんど顔を出さなくなる。不良っぽさに憧れる年頃でもあり、なんとなく料理への興味を失っていったのだ。… 続きを読む

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茂出木 浩司(モデギ ヒロシ)

1967年、東京都生まれ。都立駒場高校を卒業後、渡米し語学を学ぶ。帰国後は複数のレストランでの修行を経てたいめいけんに入店すると、1994年、27歳でたいめいけん三代目シェフに就任。2001年、日本橋三越の地下に惣菜販売『デリカテッセン・ヒロ』を開店。主な著書に「洋食や たいめいけん」(調理栄養教育公社刊)など。

株式会社たいめいけんについて
■ 事業内容(1)料理店の経営並びに食料品の販売、(2)不動産の賃貸、(3)凧の仕入販売及び「凧の博物館」の運営、(4)上記各号に付帯する一切の業務
■ 設立年月昭和26年2月 (創業昭和6年4月)
■ 本社所在地東京都中央区日本橋1丁目12番10号
■ 資本金1,000万円
■ 従業員数32名、パート 34名(平成26年3月末現在)
■ 業種飲食業
■ ホームページ

http://www.taimeiken.co.jp/index.html

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