2014.08.12 Tue

デルが目指すITソリューションプロバイダーへの変革

デル株式会社 代表取締役社長 郡 信一郎 氏

社長の仕事は社員全員が勝てるようにすること

 1984年の創業以来、IT業界で大きな存在感を示し続けているデル(本社アメリカ)。顧客からのオーダーを受けた後に生産し、流通や小売業者を経由せずに直接販売する「デルモデル」と名付けられたビジネスモデルで世界を席巻、PC市場において今なお高いシェアを維持し続けている。1996年にはサーバー製品である「PowerEdge」シリーズをリリース、最近ではネットワークやストレージ、あるいはセキュリティサービスなど、ソリューションポートフォリオの拡大を推し進めている。その日本法人であるデル株式会社を代表取締役社長として率いているのが郡(こおり)だ。

 中学時代に父親の仕事の関係で渡米した郡は、両親が日本に帰国した後もアメリカに残り、留学生というかたちで大学卒業までを過ごした。卒業後は、横河メディカルシステム(現GEヘルスケア・ジャパン)に入社。さらにハーバード大学でMBAを取得した後、コンサルティング会社でキャリアを積み2004年にデルに入社している。このとき、「コンサルティングの道をそのまま進むべきか、それとも自ら事業を展開する企業で働くのか、おおいに悩んだ」と言うが、最終的な結論は後者だった。

「入社当初は、ビジネスの7割以上がPC販売で、ちょうどデルが急成長した第1章の終わりを経験したことになります。そして入社から3年が経ったころ、創業者であるマイケル・デルが、本社のCEOに復帰し、大きな変革に向けて進み出すことになりました。それまでのPCメーカー、ハードウェアメーカーという立ち位置から、よりソリューションというものを意識して変わっていくことになったのです。」

 もともとクライアント製品のマーケティング・ディレクターという立場で入社した郡は、その後、公共営業本部長、北アジア地域公共事業統括本部長、営業統括本部長を歴任するなど、ゼネラルマネージャーとしての手腕を発揮。2011年7月に代表取締役社長に任命されている。まさに、デルの変革が本格化し始めたタイミングでの社長就任だった。

「就任時もいまも、マイケル・デルにいつも言われているのは、とにかく『勝て』。現在、日本のデルには1,800人の社員がいますが、社長である私の仕事はこの1,800人全員が勝てるようにすることです。」

 

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郡 信一郎(コオリ シンイチロウ)

1969年、東京生まれ。米国タフツ大学工学部を卒業後、横河メディカルシステム(現GEヘルスケア)に入社。機械設計エンジニアを皮切りにさまざまな分野で成果を上げた。その後、ハーバード・ビジネス・スクールにてMBA取得。1998年、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(現ブーズ・アンド・カンパニー)勤務を経て、2004年にデルに入社。執行役員、米国本社エグゼクティブ・ディレクター、北アジア地域公共事業統括本部長、営業統括本部長などを歴任。2011年7月より現職。

デル株式会社について
■ 事業内容パソコン・モバイル端末から基幹システムやクラウドの導入支援、セキュリティ、ソフトウェア、サービスに至るまで包括的なITソリューションの製造、販売ならびにそれに付帯する一切の事業
■ 設立年月1989年6月
■ 本社所在地神奈川県川崎市幸区堀川町580番地 ソリッドスクエア東館20F
■ 資本金3億500円(2014年2月現在)
■ 従業員数約1,800名(2014年2月現在)
■ ホームページ

http://www.dell.co.jp/

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