2014.07.22 Tue

多様な才能の“チーム”でものづくりとアートを融合

チームラボ株式会社 代表 猪子 寿之 氏

情報社会の新たなものづくりのかたちを示す

 ショップ内のハンガーにかかった洋服を手にとると、目の前に並ぶディスプレイに、その商品を着こなしたモデルの写真や動画が表示されるインタラクティブハンガー──それが「teamLabHanger(チームラボハンガー)」だ。ハンガーを取り上げるという何気ない普段の行動がスイッチとなり、画像や映像、音を使った新しい空間を表現するこの“ハンガー”は、消費者に新しい買い物体験を創出できるとしてアパレル業界のみならず、流通業界全般やメディアなどからも大いに注目を集めている。

 このteamLabHangerは、チームラボが手がける数々のプロダクトやサービス、アートの中のほんの一部でしかない。しかし、リアルな“モノ”とデジタルサイネージを融合させるというこの着眼点にこそ、同社が根底に抱くスピリットが表れていると言えるだろう。

 さまざまなものづくりのスペシャリストによって構成される“ウルトラテクノロジスト集団”、それがチームラボだ。本社オフィスに働く300人以上の社員のうち実に8割近くがエンジニアである。その専門領域も、プログラマ・エンジニア、数学者、建築家、CGアニメーター、絵師など多岐にわたっている。さらに、編集者やデザイナーなどのスペシャリストも加わり、サイエンス・テクノロジー・デザイン・アートを融合した領域でものづくりを行っているのである。

 代表の猪子は言う。「デジタルテクノロジーとデジタルクリエーションを使って何か新しいものを作ったり、今まで以上の価値を生み出したり、クライアントの要望に応じて、そこに新しい付加価値をつけられるのではないだろうかということを念頭に置いて、ものづくりをしています」

 最近、特に話題となっているのが、アート領域での同社の活動である。昨年10月から今年2月にかけては、シンガポールで開催された国際美術展覧会「シンガポールビエンナーレ2013」に新作デジタルアート作品を発表。「秩序がなくともピースは成り立つ」と名付けられたこの作品は、「阿波踊り」にヒントを得たホログラム(光による立体画像・映像)による、インタラクティブ(双方向)なデジタル・インスタレーション(空間芸術)だ。

 その内容を簡単に解説してみよう。… 続きを読む

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猪子 寿之(イノコ トシユキ)

1977年、徳島県生まれ。2001年東京大学工学部計数工学科卒業すると、在学中に計数工学科の同級生らと共同で立ち上げていたチームラボを会社組織として創業し、代表取締役に就任。大学では確率・統計モデルを、大学院では自然言語処理とアートを研究。

チームラボ株式会社について
■ 事業内容戦略と研究、Webデザインと開発、テクノロジーの研究と開発、コンテンツ制作と開発、空間設計
■ 設立年月2001年3月
■ 本社所在地東京都文京区本郷1-11-6 東接本郷ビル5F
■ 資本金1,000万円
■ 従業員数300人
■ ホームページ

http://www.team-lab.net/

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