2014.06.17 Tue

老舗旅館がミシュラン掲載の人気ホテルを建てるまで

株式会社龍名館 代表取締役社長 浜田 敏男 氏

ミシュラン掲載の人気ホテルは、老舗旅館で生まれ育った5代目が作った

 東京駅八重洲口から徒歩3分の場所にある「ホテル龍名館東京」というビジネスホテルが人気となっている。同ホテルは東京駅に至近という立地に加え、照明をコントロールして質の高い睡眠環境を提供する客室に、アメニティとしてエスプレッソメーカーや本格的な靴磨きセットを用意するなど、ビジネスホテルとしては一線を画した “おもてなし”が特徴だ。日経トレンディの「ビジネスホテルランキング」で全国1位を獲得(2012年)。またミシュランガイドには2012年から3年連続で掲載され、ホテル予約サイトでも軒並み高得点を獲得している。

「ホテル龍名館東京は、フロントを最上階の15階に設けているのも特徴です。これは東京駅を一望できる最も景色の良い場所でお客さまをお迎えし、そしてお見送りしたいという思いがあります」

 そう語るのは、ホテル龍名館東京を運営する株式会社龍名館 代表取締役社長の浜田敏男。東京の老舗旅館「龍名館」の創業一族に生まれ育った5代目の社長である。

 龍名館は明治32年(1899年)、東京都神田区南甲賀町(現在の千代田区神田駿河台)に誕生。浜田敏男は三代目・浜田隆の子として1954年に生まれた。

「子どもの頃はまだ木造だった旅館で暮らしていましたから、家庭と旅館はほとんど一体でした。ランドセルを背負って学校から旅館に帰って来て、板前さんにキャッチボールをして遊んでもらうなんてことが日常風景でしたね」

 末っ子で次男ということもあり、旅館経営に関する周囲の関心は基本的に5歳上の兄に向けられていた。そのため、浜田自身は“跡継ぎ”とは無関係で、ただただ従業員たちにかわいがられて育ったという。そして大学を卒業すると、旧太陽神戸銀行(現三井住友銀行)に就職した。

「将来、家業を継ぐなどとまったく考えていませんでした」

 法人営業として日々取引先を飛び回っていた浜田だが、勤続10年ほどになったある日、父の隆が体調を崩し、兄から「戻ってこい」と声を掛けられたことから、銀行を退職して龍名館に就職したのだった。1986年、浜田32歳のことだ。

 

180度変わった職場環境

 幼いころからよく知っていたはずの旅館だが、働く場としては浜田にとってまったくの異世界であった。… 続きを読む

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浜田敏男(ハマダ トシオ)

1954年、東京都生まれ。1977年に慶應義塾大学法学部を卒業後、旧太陽神戸銀行(現三井住友銀行)に入行。1986年龍名館入社後、1995年に取締役副社長、2005年に代表取締役社長に就任、現在に至る。諾成時代は体育会弓術部(和弓)に所属し、在学中は都大会にて入賞する腕前。趣味はゴルフ。

株式会社龍名館について
■ 事業内容ホテル・飲食店・不動産経営
■ 設立年月1899年
■ 本社所在地東京都千代田区神田駿河台3-4
■ 資本金1億1,900万円
■ 従業員数70名
■ ホームページ

http://www.ryumeikan.co.jp/

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