2014.06.10 Tue

ものづくりで人を感動させる「変な会社」の描く未来

株式会社TSS 代表取締役社長 田中 淳 氏

生活の中にものづくりがあった

 1960年に創業し、コネクタなどの電子部品を自動で生産する機械や、その設備を活用したサービスを社会に提供しているTSS。近年では、高精度医科向け電子血圧計を商品化したのをはじめ、手術支援ロボットの開発や羊膜を活用した再生医療の事業化に産学連携で取り組むなど、ライフサイエンス分野への進出にも注力している。そんなTSSを率いるのが、現在三代目社長を務める田中淳だ。

 田中がTSSで目指すものは「変な会社」の実現だ。一見すると会社の目標としてはふさわしくないようにも見えるが、これには理由がある。田中が掲げる「変な会社」とは、社員の満足度を重視した会社。社員が仕事に満足し楽しむことが成長につながり、仕事のレベルが上がる。そしてそれが顧客の満足につながっていくと考えているのだ。

「本当に楽しい会社にしようとするのであれば、『ちょっとおかしい』と言われるくらいのことをしないといけない。社員が楽しんでワクワクできるような、そんな『変な会社』を目指しています。そして皆が幸せになる為にどうすればいいのかといったことを考えています」

 そう語る田中のものづくりのルーツは、幼少期にまで遡る。二代目社長を父に持つ田中が幼少期を過ごしたのは、日本がまさに工業国として躍進を続けていた頃のものづくりの時代、真っ只中だった。

「小さいころは、父親の会社の工場の中をあちこちと歩きまわっていました。転んで怪我をしたことなんて数えきれませんよ。当時は実家が下宿になっていて、社員の人たちと一緒に暮らし食事も一緒でしたので、実の兄のように親しくしてくれる人もいましたね。自分にとってものづくりは、最初から生活の中に当たり前のように存在していたんです」

 大学では経営学部に進学した田中は、アルバイトとしてTSSで働き、工作機械を使った作業を習った。

「ものごとのプロセスを追うことが好きなので、子どもの頃から見ていた作業が、ああ、こうやってこれを作っていくんだなと、工程が具体的にわかって面白かったですね」

 そんな田中だが、卒業後に家業を継ぐ気はまったくなかったという。… 続きを読む

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田中 淳(タナカ アツシ)

1967年東京生まれ。1995年からスキーを主としたスポーツ産業の業務に携わり、1998年の長野オリンピックをはじめ、日本や海外で開催されるスキーの国際イベントのオーガナイズやコーディネイトを行う。スポーツのプロモーションや映像制作などを行う会社で役員を務めた後、2004年9月に家業であるTSSに転職、2010年8月に社長に就任、現在に至る。

株式会社TSSについて
■ 事業内容コネクタ自動組立機械及び検査装置、ケーブル接続自動組立機及び検査装置、半導体関連製造装置、その他の省力化自動機械及び装置、コネクタ生産、医療機器製造販売
■ 設立年月1984年6月1日
■ 本社所在地東京都品川区戸越6-10-17
■ 資本金2,000万円
■ 従業員数128名(TSSグループ195名)
■ ホームページ

http://www.tss-group.net/index.html

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