2014.05.13 Tue

競合は“現金”――スピード命で作るスマホ決済市場

コイニー株式会社 代表取締役社長 佐俣 奈緒子 氏

オフラインの決済サービスに変革を起こしたい

 日本産のモバイル決済サービス「Coiney(コイニー)」をご存知だろうか。専用アプリをインストールしたスマートフォンやタブレットのイヤホンジャックに専用のリーダーを挿し、クレジットカードを通すだけで決済が完了するという決済サービスだ。店側は導入コストがかかるクレジットカード専用端末機を使うことなく、Coineyのリーダーとスマホまたはタブレットさえあれば、月額使用料ナシでクレジットカード決済が可能になる。クレジットカードが使えないと売り上げ機会の損出にもつながる可能性がある為、店側にとってこのようなクレジットカード決済サービスを導入するメリットは大きいと言えよう。

 また、Coiney独自のサービスでは1万円以下の小額決済であれば、サインレスでスピーディーな支払いが可能となり、スムーズな接客サービスを提供することができる。これにより、これまでカード決済の導入に踏み切れなかった小規模な店舗でもクレジットカード決済が利用できるという、スマホ時代ならではの画期的な発明だ。

 そんなCoineyを開発・運営するコイニー株式会社を率いるのが、代表取締役社長の佐俣奈緒子だ。前職はオンライン決済サービスを提供する「PayPal(ペイパル)」に所属し、2009年から日本法人の立ち上げに参画する。

 その立ち上げにあたっては市場調査に力を入れたと佐俣は振り返るが、次第に日本では現金決済以外の決済サービスが欧米と比較して浸透していないことを強く意識するようになる。特に実在する店舗であっては、クレジットカード決済は受け付けていないというケースが少なくないのだ。それはなぜなのかを調べるうちに、カード決済を導入するには、コストが高かったり、厳しい審査をクリアする必要があるなど、事業者側が抱える悩みが見えてきた。

 そこで佐俣は、新たな決済サービスの起業を決意する。

「既存のクレジットカード決済サービスには厳しいレギュレーションがあるため、新興の企業が参入するのは難しい場合もあるのですが、リスクを取ってでも新たな取り組みに挑戦したかったのです。そして我々サービス提供者側が最先端の知識を持ち、真新しい決済サービス導入にも前向きな顧客の獲得を強化することにしました」日本の場合、見込顧客がオンライン上にいる割合はわずか5%、一方でオフラインは95% にも及ぶという。

「オフラインの決済サービスを変えたほうが人の生活はダイナミックに進化するはずだと思い、自分で決済サービスを始めることにしたのです」

 

修正コストよりもスピード感を意識した時期

 こうして2011年10月、自ら事業を立ち上げるべく会社を辞めた佐俣は、スピーディーかつ簡単にできるカード決済の方法として、急速に普及しているスマホを使った決済サービスを構想する。しかし、それをどうやって作ればいいのか想像できず、一緒に事業を進める仲間もおらず、会社の設立方法すらわからない状況だった。最も大きな問題は、… 続きを読む

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佐俣 奈緒子(サマタ ナオコ)

1983年生れ、広島県出身。 2009年より、米PayPalの日本法人立ちあげに参画、加盟店向けのマーケティングを担当。2012年3月にコイニーを創業、スマートフォンやタブレット端末を使ったクレジットカード決済サービス「Coiney」を展開。2014年、NTT東日本やマネーフォワード等といったPOSレジアプリとのアライアンスを締結。

コイニー株式会社について
■ 事業内容決済サービス
■ 設立年月2012年3月
■ 本社所在地東京都渋谷区恵比寿1-20-18
■ 資本金1,395,825,494円
■ 従業員数28名(2014年4月現在)
■ 業種スマートフォン及びタブレットを使ったクレジットカード決済サービス
■ ホームページ

http://coiney.com/

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