2014.03.12 Wed

グローバル1兆円超えで日本をファッション立国に

株式会社クロスカンパニー 代表取締役社長 石川 康晴 氏

株式会社クロスカンパニー,代表取締役社長,石川康晴

運命を決定づけた、洋服店員のひとこと

 アパレル製造小売業(SPA)として、女性向けのファッションブランド「earth music&ecology」、「E hyphen world gallery」、「Green Parks」などを展開するクロスカンパニー。2010年3月に放映を開始した「earth music&ecology」のCMでは、女優の宮﨑あおいを起用。商品を前面に出さずイメージを掻き立てるその内容に「よくわからないけど不思議で何か気になる」と、ツイッターやフェイスブックなどを起点に話題を呼んだ。この年度の広告宣伝にかけた費用は約12億円。当時の売上高を考えれば、アパレル業界でも異例とも言える数字だった。

 石川は言う。「正直、TVCMによって売上が上がるかどうかの予測は五分五分でした。結果的に130%の費用対効果があったのでコスト的にも大成功だったのですが、CMの一番の狙いは社員のモチベーション向上だったのです」

「ブランドが広く認知され周囲からも認められることで、社員のモチベーションが上がり、結果的に接客の向上につながるのでは」。それが石川の最大の意図だった。実際、両親や親戚などから「CM見たよ」と声をかけられ、自分の仕事により誇りを持てるようになったという社員の声も多かったという。こうした石川の、社員のやりがいや働きやすさを重視する方針は何事にも一貫しているのだが、その理由はクロスカンパニーのこれまでの歴史を振り返れば理解することができる。

株式会社クロスカンパニー,代表取締役社長,石川康晴 石川がファッションの世界に興味を持ちだしたのは小学校高学年の頃。祖母が日舞の師範であり、母親も日舞を習っていたことから、親戚が集まれば着物の話が一時間も二時間も続いた。そんな光景を見て育った石川は、「服ってなにか楽しそう」という思いを抱くようになり、徐々にファッションの世界へのめり込んでいったのである。初めて自分のお小遣いで洋服を買ったのは小学校6年生だった。岡山市街にある店で、有名ブランドの服をバーゲンで購入した。そして中学校に上がるとバーゲンに通い詰めるようになり、ある時、いつも石川の姿を見ていた店員からこう声をかけられる。

「そんなに洋服が好きならば、洋服屋をやればいい」

 この言葉がその後の石川の人生を決定づけた。

「まだ大人の意見がスッと入ってきてしまう年頃でしたからね。『よし、洋服屋になろう』と決めて、その後はもう迷うこともなかったです」

 そして石川は専門学校卒業後、紳士服チェーンに就職する。会社では幅広い業務を担当し、最終的には店舗運用まで任された。そしてある時、上司から「課長にならないか」と言われたのを機に、退職を決意したのだった。このときまだ22歳。

「私にとってサラリーマンというのは、『お金のもらえる専門学校』に通わせてもらっているという感覚でした。そこで認められたわけで、ああこれで『卒業』だなと、そう感じたのです」… 続きを読む

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石川 康晴(イシカワ ヤスハル)
1970年岡山市生まれ。国立岡山大学経済学部卒。94年クロスカンパニーを創業。99年に「earth music&ecology」を立ち上げ、現在では他ブランド含めグループ全体で1,000店舗まで拡大。
2011年9月には中国に進出。宮﨑あおいを起用したテレビCMでも注目を集める一方、女性支援制度の充実、地域貢献活動へも積極的に取り組む。内閣府男女共同参画推進連携会議議員。

株式会社クロスカンパニーについて
■ 事業内容アパレル衣料品・バッグ・靴・時計・貴金属・その他雑貨の企画、製造、小売販売及び飲食店舗の運営
■ 設立年月1995年2月(創業1994年6月)
■ 本社所在地岡山県岡山市北区幸町2-8
■ 資本金1億円
■ 従業員数グループ連結:3,790名、 単体:2,750名(2014年1月末時点)
■ 業種アパレル
■ ホームページ

http://www.crosscompany.co.jp/

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