2013.11.12 Tue

“お届けのインフラ”で実現するECと実店舗の融合

株式会社カクヤス 代表取締役社長 佐藤順一 氏

酒卸の三代目、酒業界の慣例に疑問を抱く

 「なんでも酒やカクヤス」を東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪などで展開する株式会社 カクヤス。店舗からならビール1本からでも配達料が無料で、最短30分で商品を自宅まで届けるというそのサービスは、同社の急成長を支え続けている。ECサイトでは、宅配便での全国配送も実施。また、B2CとB2Bを両輪にビジネスを展開し、業務用酒販事業では都内トップシェアを誇る。

 カクヤスの成功の鍵は、店舗から半径1.2kmを商圏として無料宅配を行うという独自のビジネスモデルにある。しかし、このビジネスモデルを佐藤が編み出し、そして現在のような成功を収めるまでには、様々な紆余曲折があったのだ。

 佐藤は、1921年に創業した「カクヤス酒店」の三代目として東京都北区で生まれ育つ。二代目である父親に、家業を継ぐよう迫られていたことへの反発心もあり、大学は親元を離れ筑波大学へと進学する。

株式会社カクヤス,代表取締役社長,佐藤順一「実は若い頃はお酒が飲めず興味もほとんどありませんでした。なので家を継ぐのもためらっていたのですが、学生時代の4年間、両親は欠かさず送金してくれましたし、“まあ継がないわけにもいかないかな”ぐらいの気持ちで入社したんです」

 当時16、7人ほどの業務用酒卸だったカクヤスには、営業は社長の父親一人だけ。佐藤は営業以外の業務を引き受け日々奔走する。早朝5時頃から留守番電話を聞きオーダーを伝票に起こし、9時頃から他の社員と荷物を積み込みトラックで都内を配達する。ちなみに注文後、飲食店に商品が届くのは翌日以降だった。配達から戻ると今度は集金のため夜の街へと赴く。仕事が終わるのはいつも深夜だった。

 やがて営業も任されるようになった佐藤だったが、日頃感じていた酒販業界への疑問も大きくなっていった。

「酒販免許の力が絶大だった当時は業界の横のつながりが強く“他所の顧客を奪ってはいけない”という暗黙のルールがありました。それではどんなに頑張っても大して業績を伸ばせません。なにより競争を避ける業界の体質そのものに違和感を覚えました」… 続きを読む

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佐藤 順一 (サトウ ジュンイチ)
1959年東京都北区生まれ。81年筑波大学卒業後、家業のカクヤス本店(現カクヤス)に入社。93年に3代目社長に就任。入社当時、年商7億円、従業員数15名であった同社を、町の酒屋がしてきた宅配の長所を守りながら、独創的な出店やサービス戦略を加味して年商1,000億円を超える企業に成長させた。

株式会社カクヤスについて
■ 事業内容酒類食品の小売および業務用卸、通信販売、「なんでも酒やカクヤス」「KYリカー」「マインマート」の展開
■ 設立年月1982年6月15日(創業1921年11月)
■ 本社所在地東京都北区豊島2-3-1
■ 資本金278,895千円
■ 従業員数1,148名(2013年8月現在)※アルバイトスタッフ 2,283名
■ 業種小売業
■ ホームページ

http://www.kakuyasu.co.jp/

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