2013.03.27 Wed

年商100億円人材コンサル会社が導く成長理論

株式会社リンクアンドモチベーション 代表取締役会長 小笹芳央 氏

株式会社リンクアンドモチベーション 代表取締役会長 小笹芳央

コンサル業界の常識を覆した企業ブランディング

 2000年4月、銀座6丁目の一角に7人で立ち上げた会社が誕生した。社員のモチベーションを成長エンジンとする「モチベーションカンパニー」の輩出をミッションに掲げる、リンクアンドモチベーション。これにより、その後の国内の人事・教育・採用分野のコンサルティングの常識が一変する。
 それまでの人事・採用コンサルティングは、個々のコンサルタントの経験に基づいて企業の支援を行なうのが一般的だったのに対して、リンクアンドモチベーションのアプローチ方法は全く異なった。独自の技術「モチベーションエンジニアリング」によって企業変革をサポートすることを大々的に打ち出したのである。この技術は、社会学、行動経済学、経済学、心理学などを統合して生み出されたものだ。「モチベーションエンジニアリング」は、個人と組織のモチベーション状態を可視化し、課題をあぶり出す「診断技術」と、その結果に基づいて企業を最適な方向へ導く「変革技術」の2大要素から構成される。

 属人的なコンサルティングでなく、独自の技術によるコンサルティング。この新しいアプローチによって差別化以上の「独自化」に成功したリンクアンドモチベーションは急成長を遂げ、2008年、東証一部上場を果たす。現在、グループ会社は11社を数え、創業者の小笹は、そのすべての会長に就いている。

 なぜ、小笹はこの全く新しいアプローチ方法による人事・採用コンサルティング事業に取り組もうとしたのか。

株式会社リンクアンドモチベーション 代表取締役会長 小笹芳央「私は、リクルートに計14年間在籍していましたが、後半の7年間は、組織人事コンサルティング事業を立ち上げ、責任者を務めていました。その業務の中で、企業の規模や業種を問わず、『社員のやる気が上がらない』ことが経営者に共通する悩みであると気づきました。ふと、業界を見渡すと、当時、この部分にフォーカスしたコンサルティング会社はなかった。
こうした課題に対して応える意義は高く、このテーマを追求していけば、オンリーワンカンパニーになれると確信したのです」

「社員のやる気が上がらない」。言い換えれば、「モチベーションが上がらない」だろう。現在、ビジネスパーソンはもちろん、学生の間でもモチベーションという言葉が当たり前のように使われているが、リンクアンドモチベーションが創業した当時は、この言葉は心理学分野の専門家など、ごく一部の人にしか知られていなかった。「社員のモチベーション改革」に対する潜在的ニーズはあると確信していた小笹だが、「モチベーション」という言葉の概念そのものが世の中には普及していなかった。

 小笹は、世の中に知られていない言葉だからこそ、その概念を浸透させれば影響力が出ると考えた。小笹は意識的に、社名、理念、サービスのすべてに「モチベーション」という言葉を入れた。また、モチベーションをタイトルに冠した書籍やセミナーで積極的に情報発信を行なった。

 小笹の精力的な活動によって、人事・教育担当者の間で、「モチベーション」の認知度が上がっていく。さらに、日韓共催の2002FIFAワールドカップで、日本代表の選手たちがインタビュー中にモチベーションという言葉を使ったことで一般にも浸透する。
 モチベーションという言葉が広がるのと歩を合わせるように、リンクアンドモチベーションの認知度も世の中に広まっていくことになる。

 

企業成長の鍵は「リーダー素質のある人材獲得」への投資

 5年後、10年後、100年後における継続的な企業成長に重要なのは、次世代を担う優秀な人材の獲得であるということは周知のことであろう。
 リンクアンドモチベーション自身もここまでの成長を遂げることができたのは優秀な人材を獲得する為に惜しみない投資をしてきたからだという。「質の高い人材を採用してきたことが成長できた最大の要因。この部分が圧倒的です。弊社は人材採用に何より力を入れてきました」と小笹は振り返る。

株式会社リンクアンドモチベーション 代表取締役会長 小笹芳央 リンクアンドモチベーションでは、リーダーの素質を持つ人材を積極的に獲得、自社のさまざまな研修のノウハウを活かして社員を育成してきた。年間3万人の就活生が殺到する超人気企業となった今でも、応募者を待つだけでなく、優秀な人材を自らスカウティングすることに力を入れ続ける。

「人材獲得というのは、会社間だけでなく、業界を超えた競争です。だからこそ、多大なエネルギーを使わなければならないのです。費やすエネルギーには、金銭的なコストだけでなく、経営者自身の時間も含まれます。経営者が、採用者と直接向き合って、会社の魅力を語りかけなくてはなりません。経営者が本気で語りかけるようになれば、それだけで採用レベルは根底から変わります」

 ただ、いくら素質のある人材を獲得しても、成長するまでにはある程度の期間が必要だ。新卒者の場合、成果を出すまでに約1~2年、リーダーになるまでに約5~10年はかかる。しかし一度サイクルが回りはじめると、次々にリーダーが生まれるようになる。そして、リーダーが生まれる企業には、リーダーを目指したいという志の高い人材が集まる好循環になる。

「リーダーがどんどん生まれる風土をつくることで、企業は安定的に成長できるようになります。採用や育成のコストを抑えたいという経営者やご担当者もいるかもしれません。でも、私の実感でいえば、そのコストはすぐに元がとれます。コストを抑える発想よりも、コストを活かす発想の方がはるかに高い成果が得られるのです」

 

人々の共感、その総量が売上となる

 モチベーションをテーマにした、企業へのメッセージ発信。
 リーダーを生む風土づくりのための、人材へのメッセージ発信。

 リンクアンドモチベーションの成功の理由は、最終的にメッセージ発信の巧みさに集約される。どのように考えれば、効果的にメッセージを届けられるのかを小笹に聞いた。… 続きを読む

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小笹 芳央(オザサ ヨシヒサ)
1961年、大阪府生まれ。早稲田大学・政治経済学部卒業後、リクルート入社。2000年、株式会社リンクアンドモチベーション設立、代表取締役社長に就任。同社を2008年、東証一部上場へ導く。2013年1月より、同社の代表取締役会長に就任。現在、グループ計11社の会長職にある。

株式会社リンクアンドモチベーションについて
■ 事業内容モチベーションエンジニアリングによる企業変革コンサルティング
モチベーションマネジメント事業(人事・教育支援)
エントリーマネジメント事業(採用・動員支援)
■ 設立年月2000年3月27日
■ 本社所在地東京都中央区銀座3-7-3 銀座オーミビル
■ 資本金9億7,975万円(2012年12月末現在)
■ 従業員数約1,400名(連結 2013年1月現在)
■ 業種人事・教育支援、採用支援
■ ホームページ

http://www.lmi.ne.jp/

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