2013.03.13 Wed

日本最大コスメ・美容サイト@cosme快進撃の舞台裏

株式会社アイスタイル 代表取締役社長 兼 CEO 吉松 徹郎 氏

株式会社アイスタイル 代表取締役社長 兼 CEO 吉松徹郎

化粧品業界のマーケティング予算の大きさに着目

 口コミを中心とする質の高い情報で女性から圧倒的な支持を得ている@cosme(アットコスメ)。現在、約3人に1人の女性が利用するといわれている日本最大のコスメ・美容の総合サイトだ。@cosmeの最大の特徴は、情報発信の主役がユーザーにあることである。ユーザーが商品の感想を書き込み(レビュー機能)、ユーザーの声が商品のランキングを決めるなど、今、人気の商品が瞬時にわかることが女性の圧倒的な支持を得ている理由だ。
株式会社アイスタイル 代表取締役社長 兼 CEO 吉松徹郎 このようなユーザー主導によるコミュニケーションプラットフォームは、現在ではさまざまなサイトで見られるようになったが、吉松が@cosmeを立ち上げた1999年の時点では、日本国内にわずかしか存在しなかった。
 吉松個人は、化粧品業界の知識と人脈「ゼロ」だったが、化粧品業界に身を寄せていた経験のある創業メンバーと共に、化粧品をテーマにしたサイトのアイデアを具現化し、その成長を牽引してきた。

「起業する前、@cosmeのアイデアを周囲に話すと、『だって、男だし化粧品業界知らないでしょ』とよく言われました。しかし僕は、そうは思わなかった。僕個人がその業界の人脈や知識を持っていることは、ビジネスを立ち上げる上で必ずしも必要ではないと考えていました。新規ビジネスで大事なのは、対象とするマーケットが今後、どのような変化をしていくのかを見極めることだと考えていました。変化の過程でどのような課題が発生し、それをどう解決していくのか。変革期に起こる課題とその解決施策がクリアにイメージできていれば、未経験分野でも新規ビジネスのチャンスは十分あります」

 吉松が、特に化粧品業界に着目したのは、「マーケティング予算の大きさと今後起こる予算分配の変化」だった。化粧品業界全体のマーケティング予算は、年間約3,000億円。この巨額の予算は、インターネットの普及に伴い、テレビ・新聞・雑誌などの既存メディアへの予算が減り、インターネット広告への比重が高まると考えた。仮に1%のシェアを確保できたとして、1社で30億円の売上を作ることが可能になる。
 吉松には、@cosmeを立ち上げた時点で、「近い将来、一般女性がインターネットで化粧品を買うのが当たり前になり、インターネット広告に対する需要が生まれるイメージ」が明確にあった。
 だが、当時の女性のインターネット利用率は、わずか1.2%。現実とイメージした将来像の差はあまりにも大きい。

「当時、化粧品メーカーのマーケティング担当者から『インターネットをする女性が化粧をしますかね?』と一蹴されました。それくらい、インターネットはまだまだ特別なものだったんです。また、口コミを主体にしたプラットフォームなんて世の中に存在すらしていない。だから、アイデアを話しても、明確にイメージしてもらえる人はほとんどいませんでした。相手の頭の中にないことをイメージさせるのが、いかに難しいかを思い知らされました」

 レビューやランキング機能を持つユーザー主導型サイトが広く普及した今では、一般のビジネスパーソンでも吉松のアイデアを理解できるが、立ち上げ当初は、創業メンバーですら、吉松の考えを完全に理解するのに苦労した。時代の一歩先どころか、二歩も三歩も先をいくアイデアだった。

「インターネットが急速に普及するにつれ、徐々にアイデアを理解してくれる人が増えはじめました。手ごたえが感じられたのは、… 続きを読む

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吉松 徹郎(ヨシマツ テツロウ)
1972年、茨城県出身。東京理科大学・基礎工学部卒業後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。1999年、ニュービジネス協議会主催のビジネスコンテスト優秀賞授賞。コスメ・美容の総合サイト「@cosme」開設のため、同社を退社し、株式会社アイスタイル創業。@cosmeを核にしたメディア事業を中心に展開。東証一部上場に導く。

株式会社アイスタイルについて
■ 事業内容美容系総合ポータルサイト@cosmeの企画・運営
関連広告サービス、マーケティング・リサーチサービスの提供
■ 設立年月1999年7月27日
■ 本社所在地東京都港区南青山1-26-1
■ 資本金15億3,110万円
■ 従業員数283名
■ 業種IT事業
■ ホームページ

http://www.istyle.co.jp/

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