2017.05.17 Wed

「パン工房」の安全性を高める、工場の“SUS化”とは

パン工房(キユーピー株式会社 中河原工場)

 異物混入をいかに防ぐか。食品の製造工場でそれは非常に大きな課題である。今回ご紹介するのは、“SUS化”をキーワードに、異物混入の防止に全従業員が一丸となって挑み、成果をあげているキユーピーの中河原工場。そのユニークな取り組みの最前線を訪ねた。

 

「商品を磨く」キユーピーのサテライト工場へ

 新宿駅から電車で西へおよそ30分、京王線の中河原駅に着く。さらに駅から4,5分歩くと、山梨県甲州市の笠取山を源流に持つ一級河川・多摩川の、川沿いにつくられたキユーピー株式会社中河原工場がある。

 1977(昭和52)年に操業を開始した中河原工場は、現在サテライト工場と位置づけられている。

 キユーピーには、主力商品を徹底した合理化により大量に生産する2つのマザー工場と、多品種少量生産に対応する7つのサテライト工場がある。ここ中河原工場はサテライト工場として、253名の従業員が、マヨネーズやドレッシングをはじめ、チルド食品、各種ソース、加工食品まで、200以上の多岐にわたるアイテムを製造している。

 サテライト工場には、こうした多品種少量生産への柔軟な対応とともに、「商品を磨く」という重要な役割があるという。

 サテライト工場で扱う商品は、マザー工場と比べれば生産数は少ないものの、一定のユーザーに長く支持されているものが多い。そうした商品の生産プロセスを合理化するとともに、品質にさらに磨きをかけ、需要が高まったときには、スムースにマザー工場へと引き渡すことが使命となっている。

 中河原工場で現在磨きあげている商品の1つが、2016(平成28)年で発売から20周年を迎えた「パン工房」である。同商品は、ツナやコーンなどたっぷりの具材と専用マヨネーズをバランスよく混ぜ、パンに塗るだけでおいしく食べられるというコンセプトが話題となり、発売当初は大ヒットとなった。

 現在「パン工房」は成熟期に入り、ファミリー層を中心に安定した支持を集めている。近年は発売当時に子どもだった世代が親となり、子どもの頃に食べた味を懐かしんで再び「パン工房」を手に取る人が増えているという。その「パン工房」の製造を中河原工場は一手に担っている。

「パン工房」の製造工程(1)

(1)原料の検査

 まず異物が紛れていないかを目視で検査

(2)仕込む

 原料はすべて二次元コードで管理されており、釜に原料を投入する前に二次元コードを読み込み、原料や配合手順に間違いがあればすぐに知らせ、ミスを未然に防止する

工場は家庭の台所の延長、全国でオープンキッチンを実施

 中河原工場では工場見学を行っていないが、キユーピーでは安全安心にこだわるものづくりの考え方を知ってもらおうと1961(昭和36)年から「オープンキッチン」と名づけた工場見学を実施している。現在は全国の4工場(五霞・富士吉田・挙母・鳥栖)に加え、この春に全面稼働した神戸工場でも5月1日(月)から「オープンキッチン」がスタートしており、最新の取り組みを体感できる。

 

天井も床の溝も徹底的に“SUS化”

 キユーピーの生産現場では、「人の命を預かっているという気持ちでつくる」という教えが受け継がれている。これには、安全安心な商品をつくり続け、供給していくために、どんな小さなことにも手を抜かず真摯に取り組んでいくという、キユーピーのものづくりに対するこだわりが現れている。

 この教えを実践しているのが、中河原工場で4年前から全従業員が一丸となって取り組んでいる工場の… 続きを読む

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キユーピー株式会社について
■ 事業内容調味料事業、タマゴ事業、サラダ・惣菜事業、加工食品事業、ファインケミカル事業、物流システム事業
■ 設立年月1919年(大正8年)11月
■ 本社所在地東京都渋谷区渋谷1-4-13
■ 従業員数14,095人(連結、2016年11月末日現在)
■ ホームページ

http://www.kewpie.co.jp/

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