2017.01.11 Wed

品質の門番たちに守られた「森永のおいしい牛乳」

森永のおいしい牛乳(森永乳業株式会社 東京多摩工場)

 スーパーで当たり前のように並んでいる「牛乳」だが、実は法律で成分規格、製造方法の基準がこと細かく定められていることをご存知だろうか。牛から絞った生乳の成分を調整せずに殺菌し、乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上という条件をクリアしたものだけが、牛乳と呼ばれている。

 そうした厳しい条件下で、絶対的な安全とおいしさを両立させたものづくりを目指しているのが、森永乳業の基幹工場である東京多摩工場だ。その両立のために、工場操業当初から自動化に取り組んでいるという。森永乳業の看板商品である「森永のおいしい牛乳」「マウントレーニア」などを製造する、東京都東大和市にある同工場の飲料棟を訪ねた。

 

50年前、いち早く自動化に取り組み始めた理由とは

 多摩地区を南北に結ぶ多摩都市モノレール線の桜街道駅で下車すると、駅と交差するように大きな桜並木の街道が現れる。春先には大勢の花見客でにぎわうというその街道を東に少し歩いたところに、森永乳業の東京多摩工場がある。

 まず工場の受付で驚かされた。受付の手続きをする用紙に、社名、名前とともに「体温」の記入項目があったのだ。風邪などのウイルスを敷地内に入れない。これはすべての従業員のみならず、来客者にも徹底されているとのこと。

 東京多摩工場は、1966(昭和41)年、当時としては画期的な製造工程の自動化を掲げ操業を開始。2016(平成28)年には50周年を迎えた。自動化の取り組みを早くから始めた理由は、生産効率を上げるためでもあったが、人の手による細菌混入のリスクを最小化し、より高いレベルの品質管理を行う狙いもあった。自動化に加えて、森永乳業では全工場で原材料のトリプルチェックの実施、独自の品質保証システム「MACCP」を運用するなど、品質・安全の確保に努めている。

森永乳業株式会社 東京多摩工場

 東京多摩工場では、牛乳、ジュース、ヨーグルトなど、1月当たり約60品目にのぼる森永乳業の商品を常時生産している。その工場見学に年間約13,000名が訪れる。ホームページや電話で一般見学を受け付けているが、受付開始した当日には予約で埋まるという狭き門である。2016(平成28)年には東大和市、武蔵村山市の家族限定で50周年を記念した特別工場見学会を開催。特別なプログラムの工場見学に参加でき、スイーツ作りなども体験できるとあって、地元住民の家族連れでにぎわったという。

 

オペレーターの多能工化で短いリードタイムに対応

 東京多摩工場では、時代とともに製造規模を拡大させていった。牛乳の容器が、ビンから三角パックに、そして現代の屋根型パックへと変化していくのに応じて生産ラインを拡大。その後もコーヒー、ジュースといった飲料の製造を開始。さらに、従来の飲料棟に加えて新たにヨーグルトの製造棟を増設し、製造品目を広げていく。

 こうした製造品目の増加に対応するため、製造設備も更新していった。現在の工場内では100台を超える機器、設備が稼動し、それらを自動的に制御するためのバルブ類だけでも軽く1万点を超えるという。また、温度、圧力、流量などの状況を検知するセンサーも1,000点以上にのぼる。これらの設備によって多くの製造工程が見える化、自動化されており、一部の工程を除きコントロール室でオペレーターが集中管理を行っている。

 東京多摩工場のオペレーターは全員、機械の操作や監視だけでなく、メンテナンスを行う保全マンの役割も兼務している。機械の操作のみならず、分解してのオーバーホールも担当する。さらには… 続きを読む

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森永乳業株式会社について
■ 事業内容牛乳、乳製品、アイスクリーム、飲料その他の食品等の製造、販売
■ 設立年月昭和24年(1949年)4月13日
■ 本社所在地〒108-8384 東京都港区芝5-33-1
■ 資本金21,704百万円(平成28年3月31日現在)
■ ホームページ

https://www.morinagamilk.co.jp/

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